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| 【5】 バレエ鑑賞 −私の「Swan Lake」考− |
| 2003年3月1日、AMP「Swan Lake」日本公演を観てきました。Swan役はトリプル・キャストで、誰が踊るかは当日発表というアダム・クーパーのファンにはちょっと酷な公演でしたが、入り口で渡された配役表を見てニヤリ。私が行った回のSwanはアダムでした。Swan役が誰であってもとにかくAMPの「Swan Lake」が観たい!とこの数年、消極的に動きまわってきた者としては、この日の配役は天からのご褒美なのだと、ありがたく受け取りました。 ところで、私がいままで「Swan Lake」観たさにとった行動とは、
このAMPによる新解釈「白鳥の湖」の日本公演は、トニー賞受賞の振付や衣装、アダム・クーパーの魅力、そして映画「リトル・ダンサー」効果と、各方面で話題になりようやく実現した公演です。そのせいか、他のバレエ公演とはだいぶ客層が違っていたように感じました。以前、熊川哲也の公演(ロイヤル時代のMade in Londonや後のK-Balletなど)に行った時も、バレエというよりは熊川哲也が観たくて来ている人も多そうだなと思ったのですが、今回の「Swan Lake」はそれ以上にあれ?と思うことがあったのです。 K-Balletの時も、熊川以外のダンサーの演目では興味なさそうに眺めている人、ひそひそとおしゃべりを始める人(怒)がいました。ノリタケ・バレエ団効果で観にきた人たちなのでしょうか。偏見かもしれませんが。でも、普段バレエを観ない人たちに幅広くダンサーを知ってもらい、そして劇場に足を運んでもらえたら、と思っている私が、その時ふと、バレエやその作品の魅力までは一度観ただけでは伝わらないものなのかも、と思ってしまいました。 それが、今回はっきりと感じられて悲しくなってしまったのです。この公演に関しては、ネット上で知り合った複数の方々がさまざまな理由で「観に行きたいけど行けない」と嘆いてらしたのを知っているので。上記6、7のようなことを行っている私は、非常に複雑な気持ちになりました。 しかし、なによりも「あれ?」と思ったのは、観客の反応でした。カーテンコールの拍手から考えて、公演は成功だったと思います。でも各場面での拍手が全然ない時があって、最初はとても不安になってしまいました。とにかく、しーんとしてるんだもの。「え?どうして?」と焦りましたし、たぶんダンサーの方も焦ったんじゃないかな〜。バレエでは、クラシック音楽の演奏会や演劇の舞台と違い、素晴らしいと思ったら踊りの途中でも拍手をおくってしまうものなので、拍手は幕が下りるときだけだった第一幕と二幕は、正直、製作者サイドの人間のごとく客席の反応が気になり舞台に集中できませんでした。 この作品では特に、女王が謁見台に立った時、オペラハウスや舞踏会の会場に入ってきた時などに客席から盛大な拍手があると、若さと美しさを誇る女王が舞台上だけでなく劇場全体からも女王として扱われるような面白さが出て効果倍増だったのですが。もったいないなぁと思いました。これはビデオやDVDを観過ぎていた私の思い込みもあるでしょうけれど、TVをみているわけじゃないんだし、一緒に作品に入り込んじゃおうよ!という気持ちがとても強かったので。 AMPの「Swan Lake」はクラシックともモダンとも違うバレエです。私はまだ観ていませんが「シンデレラ」や「The Car Man」もおそらく同じタイプの作品でしょう。そして、これらはバレエ作品と紹介するよりも、歌のないミュージカル、と紹介した方があっているようにも思います。また映画「リトル・ダンサー」の延長として、映画を観るようにこの舞台を観ていた方もいらしたかもしれません。バレエ的鑑賞方法で観ていた私の方が「そうじゃないよ!」と言われる側だった可能性も、あるわけですね。決め技のときなんか、やたら拍手してしまいましたけど。去年の「The Car Man」日本公演はどんな感じだったんでしょうか? こういった葛藤は、AMPのようなカンパニーの日本公演が今後もコンスタントに行われれば次第に薄れていくと思います。もちろんそれを観に行ってもらうのが前提です。だから、6、7の活動はこれからも続けていくつもりです。今はとりあえず、せっかく高いお金を払って舞台を観に来るんだから、(私もあまり人のことは言えませんが)一人のダンサーに熱を上げるだけでなく、舞台装置や衣装、音楽までしっかり鑑賞しちゃいましょうよ、と。そして感じるままに拍手してもいいんじゃない?と。ダンサーと、自分も盛り上がればさらに素晴らしい舞台になると思いますから。 (2003/03/09) |
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